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LIFE PICTURES

「こころの通訳者たちWhat a Wonderful World」ドキュメンタリーは、現実の翻訳だ

ドキュメンタリー評論4 野澤和之

今回は、ドキュメンタリー映画「瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと」について語ろうと思う。

このドキュメンタリー映画のプロデューサーも出演も製作も配給もすべて平塚千恵子さん。日本で唯一、目や耳の不自由な人のためのユニーバーサルシアターの映画館シネマ・チュプキ・タバタを創った方だ。「こころの通訳者たち」とは、まさに映画のバリーアフリーに挑む人たちの物語だ。目や耳の不自由な方に映画の感動を届けたいという平塚さんの思いが伝わってくる。それに感応すればするほど、まだまだ社会的弱者に厳しい日本の状況が、思い浮かんで辛くなってくる。平塚さんの劇中で何度も涙を流すシーンにもついもらい泣きしてしまう。

こころの通訳者のタイトルにあるように、この映画は、通訳とは何か?翻訳とは何か?の本質を問うている。耳の不自由な人のための舞台手話通訳の言葉を目の見えない人に、どう伝えればいいの平塚さんたちが、試行錯誤する物語だ。シネマ・チュプキ・タバタでは、上映する全ての映画に字幕と音声ガイドをつけている。映画のセリフから手話のセリフに翻訳したものを

音声ガイドにまた翻訳する試みだ。。

簡潔に言うと、目の不自由な人への映画言語と耳の不自由な人の映画言語をどう共存させるかという試みのドキュメンタリーだ。 あまり例のない試みなので想像しにくいかもしれない。繰り返す。健常者がみる映画。目の不自由な人が見る映画。耳の不自由な人が見る映画。それぞれに、工夫が凝らされていることだけは、理解してほしい。

1言葉2手話3字幕4音声ガイドを一つの映画で体験できる貴重な映画だ。4種類の言語は、実はイコールではないことも判明する。ここに翻訳力が存在している。それは、ドキュメンタリー映画創りによく似ている。現実をどう翻訳して映像化するのが、ドキュメンタリーだ。これも翻訳力が試される。

「こころの通訳者たち What a Wonderful World」
監督:山田礼於 プロデューサー:平塚千穂子
撮影:金沢裕司 長田勇
製作・配給HUPKI ©CHUPKI

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