ハンセン病療養者に8年寄り添った 渾身の作品
「私、みんな受けとめて、逃げなかった。」
瀬戸内海にある国立ハンセン病療養所、長島愛生園。
宮﨑かづゑさんは10歳で入所してから約80年、ずっとこの島で生きてきた。病気の影響で手の指や足を切断、視力もほとんど残っていない。それでも、買い物や料理など周囲の手を借りながらも自分で行う。
「本当のらい患者の感情、飾っていない患者生活を残したいんです。らいだけに負けてなんかいませんよ」と力強く語るかづゑさん。患者同士のいじめに遭い、つらかった子ども時代。家族の愛情と、たくさんの愛読書が、絶望の淵から引き上げてくれた。そして夫の孝行さんと出会い、海沿いの夫婦寮で自然とともに暮らしてきた。
かづゑさんはいつも新しいことに挑戦している。そしてどこか可愛いらしい。78歳のときにパソコンを覚え、84歳になって初の著作となる『長い道』(みすず書房)を出版。類まれな表現力で日常を瑞々しく綴り、版を重ねている。
90歳も半ばになったかづゑさんは言う、「できるんよ、やろうと思えば。」
(公式HPより)
ハンセン病患者の方々は高齢化が進んでおり、8年もの歳月をかけてその姿を追う作品はこれが最後になるかもしれません。誰かが記録しないと歴史の中に消えていってしまう声、そこに向き合うある意味、ドキュメンタリーの王道の作品なのかもしれません。
この映画の舞台となった長島愛生園では、こんな取り組みも始まっているようです。
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https://www.nippon-foundation.or.jp/journal/2023/93562/leprosy
公開劇場情報はこちらから!
https://www.beingkazue.com/theater